CTG (CardioTocoGram:胎児心拍陣痛図) の読み方        

* NST(non-stress test): ストレスのかからない状態(陣発してないとき)のモニター

1)基準心拍数(子宮収縮のない間に欠期における安定した心拍数)
  a、正常:120〜160bpm
  b、頻脈(tachycardia):160bpm以上
         母体発熱、胎児感染、薬物投与(ウテメリン)、
         胎児貧血・低酸素症・未熟・不整脈・心不全、他
  c、徐脈(bradycardia):120bpm以下
         胎児低酸素症、児頭圧迫、母体心拍数の誤認、他

2)基準心拍細変動variabirity(主に副交感神経を介する中枢性の心拍コントロール機構と、心臓自体の持つコントロール
  機構を反映))

  a、variabilityあり:正常
  b、variability減少(消失):
    i)生理的減少:睡眠中、未熟性
    ii)病的状態:胎児低酸素症、先天的奇形児、薬物

3)周期性変化(子宮収縮に伴う胎児心拍パターンの変化をいう)
   a、一過性頻脈acceleration(心拍の一過性の上昇):胎児の状態良好reactive pattern:胎動もしくは子宮収縮に
      伴う一過性頻脈(15bpm15秒以上)が20分回に2回以上認められる場合。=元気な証拠
     non-reactive pattern: 20分間に2回未満。=要注意

   b、一過性徐脈deceleration(心拍の一過性の減少):分娩中問題となりうる
     i)早発一過性徐脈(early deceleration): 良い胎児心拍の下降と子宮収縮が同時に始まり、終わる
      (uniform type毎回同じ)
      ≪児頭圧迫による≫
     ii)遅発一過性徐脈(late deceleration): すごく悪いこと
       徐脈の開始が子宮収縮より遅れ、最下点が収縮のピークより遅れる
       (uniform type毎回同じ)
       ≪胎盤機能不全、子宮血流低下、過強陣痛等で胎児仮死の存在示唆≫

     iii)変動一過性徐脈(variable deceleration):一過性徐脈の型および子宮収縮とのタイミングが一定でないもの
       =毎回違う
        ≪臍帯の圧迫≫

4)胎児仮死fetal distress 急速遂娩

  @severe variable deceleration 高度変動一過性徐脈:60bpm以下かつ60秒以上 危険:
    1,分娩中20回以上出現
    2,variability消失
    3,overshoot acceleration出現

     mildな変動一過性徐脈:これ自体では胎児仮死ではない。
      変動一過性徐脈の安全限界

   
 1,10分間における各徐脈の持続時間の合計が4分以内
   2,variability(細変動)が保たれている
   3,心拍数基線が120〜160bpmの正常範囲
   4,徐脈の深さがbpm未満、ただし最低心拍数が70bpm以上
   以上を満たしておれば、新生児仮死となることはない


  Alate deceleration 遅発性一過性徐脈:子宮収縮の50%以上に出現すれば危険、variabilityの消失をみればさらに危険
注意 #1、わずかな徐脈であることが多く、注意して見なければわからないことが多い。
    #2,疑われる際はモニターの紙送り速度を1cm/分より、3cm/分へ 変更すると判定が容易になる。
     #3,遅発性一過性徐脈が疑われるからといって、酸素は投与しない酸素投与により、モニターが
        改善し、判定不能になる。 判定後はもちろんかまわない。
  Bfetal brady cardia 10分以上続くもの。(そんなに待っている人はいない)

  Cprolonged decelaration 2、3分〜 10分以内
    子宮破裂、臍帯脱出を念頭において行動する

  Dloss of variability 細変動消失

  Esinusoidal pattern 10分以上(米国では20分以上)続くとサイナソイダルパターンとする
    胎児貧血考えるが、時として正常でも認める、前後がreactive patternなら問題ないことが多い。


 THE BIOPHYSICAL PROFILE SCORE
        NST non stress test

non stress test (ノン ストレス テスト)

子宮は赤ちゃんにとって, 安全な場所です。しかし,お産が始まって,
陣痛(子宮収縮 )が起ると,赤ちゃんにとって危険がいっぱいです。
赤ちゃんが,お産のストレスに耐えて,無事に生まれることができるか
,否か? をしらべるのが....NST です。
貴女も,お産の前にNSTをうけ, 安心してお産を迎えましょう。

 なお,赤ちゃんの発育が妊娠週数に比べて小さい場合,貧血, 妊娠
中毒症などを合併した場合, 赤ちゃんがお母さんのお腹の中で,元
気に余力をもって生活しているかどうかを調へることにも役立ちます。


NST は A message from the lovely baby ------ 分娩監視装置を
使いお腹の上から赤ちゃんの心拍数の連続変化を20〜40分間
記録して、コンピューターで解析し、赤ちゃんが元気かどうか
を診断する無痛で安全な検査方法のことです。