経口避妊薬処方マニュアル
1)経口避妊薬問診チェックシート記載(別紙)
ハイリスク症例をピックアップする
2) スクリーニング検査
1 ,(処方前)
@ 血圧測定、体重測定
A 尿一般検査
B 血液:CBC,OK6,凝固(PT,APTT,TAT,フィブリノーゲン,D-ダイマ等)
C 経膣エコー、内診、子宮癌細胞診、マイクロ、クラミジア・淋菌抗原
2,(1ヶ月後)
@ 服用状況のチェック・保健指導
A 体重測定、血圧測定
〜以後2ヶ月分の処方も可〜
3,(3ヶ月)
@ 服用状況のチェック・保健指導
A 必要そうならSTD検査(クラミジア等)
4,(6ヶ月)
@ 服用状況のチェック・保健指導
A 血圧測定、体重測定
B 尿一般検査
C 血液:CBC,OK6,凝固(PT,APTT,TAT,フィブリノーゲン,D-ダイマ等)
D 乳房健診
5,(1年)
@ 服用状況のチェック・保健指導
A 血圧測定、体重測定
B 尿一般検査
C 血液:CBC,OK6,凝固(PT,APTT,TAT,フィブリノーゲン,D-ダイマ等)
D 経膣エコー、内診、子宮癌細胞診、マイクロ
E 必要そうならSTD検査(クラミジア等)
〜以後4と5を6ヶ月毎に交互施行〜
経口避妊薬問診チェックシート
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質問事項 |
はい |
いいえ |
1年齢を記入してください |
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2喫煙される方は1日の本数を記入してください |
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3以前、経口避妊薬またはホルモン剤服用で副作用を経験したことありますか |
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4ご家族に乳癌の方はおられますか |
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5乳房のしこりのようなものはありますか |
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6性器出血がありますか |
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7ふくらはぎの痛み、突然の息切れ・胸痛、激しい頭痛・めまい、失神などがありますか |
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8血栓性静脈炎、血栓症、脳血管障害、心臓疾患にかかったことありますか |
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9先天性に血栓ができやすいといわれたことがありますか |
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10ご家族で血栓症にかかったことのある方はいますか |
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11過去にかかった病気があれば記入してください |
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12流死産を繰り返したことがありますか |
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13血圧が高いといわれたことがありますか |
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14大きな手術を受けたこと、あるいは受ける予定はありますか |
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15現在妊娠の可能性はありますか |
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16現在、授乳していますか |
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17心臓病や腎臓や肝臓に障害があるといわれたことはありますか |
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18コレステロールが高いといわれたことがありますか |
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19糖尿病の指摘を受けたことがありますか |
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20てんかんといわれたことがありますか |
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21ポルフィリン症といわれたことがありますか |
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22耳硬化症といわれたことがありますか |
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23現在、何か医師の治療を受けていますか |
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24現在、何かクスリを飲んでいますか |
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25コンタクトレンズをしていますか |
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医師のチェック事項
1年齢を記入してください |
40才以上は慎重投与、思春期に該当する場合は禁忌 |
2喫煙される方は1日の本数を記入してください |
35才以上かつ1日15本以上は禁忌 |
3以前、経口避妊薬またはホルモン剤服用で副作用を経験したことありますか |
禁忌への該当性確認 |
4ご家族に乳癌の方はおられますか |
慎重投与、頻回(6ヶ月毎)の乳房健診 |
5乳房のしこりのようなものはありますか |
乳癌検査先行 |
6性器出血がありますか |
婦人科検査(癌)の確認 |
7ふくらはぎの痛み、突然の息切れ・胸痛、激しい頭痛・めまい、失神などがありますか |
禁忌への該当性確認 |
8血栓性静脈炎、血栓症、脳血管障害、心臓疾患にかかったことありますか |
禁忌への該当性確認 |
9先天性に血栓ができやすいといわれたことがありますか |
禁忌への該当性確認 |
10ご家族で血栓症にかかったことのある方はいますか |
慎重投与への該当性確認 |
11過去にかかった病気があれば記入してください |
禁忌または慎重投与への該当性確認 |
12流死産を繰り返したことがありますか |
抗リン脂質抗体症候群の有無確認 |
13血圧が高いといわれたことがありますか |
禁忌または慎重投与への該当性確認 |
14大きな手術を受けたこと、あるいは受ける予定はありますか |
術前4週間、術後2週間は禁忌 |
15現在妊娠の可能性はありますか |
禁忌への該当性確認 |
16現在、授乳していますか |
禁忌への該当性確認 |
17心臓病や腎臓や肝臓に障害があるといわれたことはありますか |
慎重投与への該当性確認 |
18コレステロールが高いといわれたことがありますか |
禁忌への該当性確認 |
19糖尿病の指摘を受けたことがありますか |
慎重投与への該当性確認 |
20てんかんといわれたことがありますか |
慎重投与への該当性確認 |
21ポルフィリン症といわれたことがありますか |
慎重投与への該当性確認 |
22耳硬化症といわれたことがありますか |
禁忌への該当性確認 |
23現在、何か医師の治療を受けていますか |
慎重投与への該当性確認 |
24現在、何かクスリを飲んでいますか |
併用薬の確認 |
25コンタクトレンズをしていますか |
装着不具合に対する対応 |
その他:肥満の場合慎重投与
経口避妊薬服用に際する注意事項
1,開始:低用量ピルでは避妊効果が確実になるまで7日間を要する。
月経大1日目より服薬スタートとする。サンデーピルは月経発来後の日曜日から
服用開始する。
2, 飲み忘れ:1日のみ飲み忘れた場合、気づいた時点でただちに飲み忘れた錠剤を
服用しその日の分も通常通り服用する。2日以上連続して飲み忘れた場合は服用
を中止し次の月経を待ち投与再開する。飲み忘れにより妊娠する可能性が高く
なるのでその周期は他の避妊法を併用する。
3, 服用中の下痢・嘔吐:吸収不良にて妊娠する可能性があり、他の避妊法を併用する。
4, 初期流産・中絶後:早期(7日以内)から服用開始。
5 分娩・早産・中期流早産後:血栓症のリスク高く、産褥3〜4週間は服用を避ける。
6, 授乳中:母乳へのステロイド移行、乳汁分泌抑制等があるため使用を避け、たの
避妊を考慮する
7, 副作用:開始初期に不正出血、吐き気、乳房痛、乳房緊満等が多くみられるが、
多くは消失することを説明する。
8, 消退出血(月経):発来しない、もしくは減少することがしばしばみられる。
発来しない場合でも、予定スケジュールのみ服用してよい。2週連続して発来
しない場合は妊娠の有無を確認する。
9, 定期検査は必ず受けるよう指導する。重篤な副作用の出現もしくは検査結果の
異常を認めた場合は服用をすみやかに中止する。
10,中止後:正常の月経周期を有する女性であれば5週間以内に月経がみられる。
(3ヶ月以内に95%以上で発来する)3ヶ月以上無月経の場合は妊娠、
PPA(post-pill
amenorrhea)、閉経を含めた精査を検討する。自然発症の無月経
とピル服用後の無月経の相対的発症率に有意差は認められないとされている。